不動産を売却する際には、適正な査定を受けることが重要です。不動産の価値は様々な要因によって評価されるため、査定方法の種類を理解しておくと役立ちます。ここでは、不動産売却時の査定方法の種類について詳しく解説します。
不動産売却の査定方法の種類
原価法
原価法は、建物の再調達価格(同じ場所に同じ建物を建てるために必要な費用)を基に査定を行う方法です。以下の手順で査定が進められます。
- 再調達価格の算出:新築同様の建物を建てるための費用を計算します。
- 減価修正の適用:建物の老朽化や劣化による価値の減少分を計算します。
- 査定価格の決定:再調達価格から減価修正を引いた金額が査定価格となります。
土地の査定にはあまり使われませんが、建物の価値を評価する際には有効です。
収益還元法
収益還元法は、将来の収益性を基に不動産の価値を評価する方法です。賃貸アパートや賃貸マンションのような投資用不動産に適しています。以下の手順で査定が行われます。
- 収益の予測:不動産が生み出す将来の収益(賃料収入など)を予測します。
- 還元率の適用:収益を現在価値に割り戻すための還元率を適用します。
- 査定価格の決定:収益を還元率で割ることで査定価格を算出します。
居住用不動産の査定にはあまり使われませんが、投資用不動産の評価には有効です。
取引事例比較法
取引事例比較法は、過去の類似物件の取引事例を参考に査定を行う方法です。以下の手順で査定が進められます。
- 類似物件の選定:売却予定の不動産と類似した物件を過去の取引事例から選びます。
- 価格の比較:類似物件の取引価格を基に査定価格を算出します。
- 調整要因の適用:不動産の特性や市場動向を考慮して価格を調整します。
土地や中古住宅の査定によく用いられる方法で、実際の市場価格を反映しやすいのが特徴です。
事前の簡易査定は必要?
不動産の査定を行う際には、いきなり詳細な査定を依頼する前に、Web査定などの簡易査定を利用することをおすすめします。Web査定は短時間でおおよその価格を確認できるため、売却の意思を固める前に利用することで、スムーズな査定が可能になります。
査定は何社くらいに依頼するのがベスト?
不動産の査定は、最低でも3社に依頼するのがベストです。複数の業者に依頼することで、査定額を比較し、より正確な価格を把握できます。時間がない場合は、簡易査定を3社に依頼し、訪問査定は希望の金額を提示してくれた業者に絞るのも良いでしょう。
不動産の売却査定に必要なものとは?
不動産の売却査定に必要な書類は以下の通りです。
- 本人確認書類:身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票
- 登記済権利書または登記識別情報:法務局が発行する所有権を証明する書類
- 固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書:固定資産税の納税額を確認するための証明書
- 土地測量図・境界確認書:土地の面積や境界線を証明する書類
- 建築確認済証および検査済証、建築設計図書・工事記録書等:建築基準法を遵守して建てられていることを証明する書類
- マンションの管理規約、使用細則:マンションの維持費などを証明する書類
- 耐震診断報告書:耐震基準を証明する書類
不動産業者に査定を依頼する際には、これらの書類を準備しておくとスムーズに進められます。
不動産を売却する際には、上記の内容を参考に、査定方法や依頼方法を理解し、満足のいく売却を実現しましょう。