戸建て住宅の購入前に知っておくべき住んでからかかる維持費

湘南不動産

住宅は非常に高額な買い物であり、多くの人が住宅ローンを組んで毎月一定額を返済しながら購入します。したがって、住宅を購入する際には、毎月のローン返済額を考慮しつつ、生活費をやりくりする必要があります。しかし、戸建て住宅を購入した場合、必要なお金はローン返済額だけではありません。維持費もかかることを忘れてはなりません。マンション購入でも管理費や修繕積立金が発生しますが、戸建ての場合もさまざまな費用が必要です。具体的にどのような費用がかかり、どの程度の金額が必要なのか、以下で解説します。

戸建て購入に年間でかかる費用

戸建てを購入する場合、毎月の住宅ローン返済額に加え、さまざまな維持費がかかります。具体的にどのような費用がかかるのか見ていきましょう。

  1. 固定資産税
    これは土地や建物などの資産に対して課される税金です。固定資産税は、住宅が所在する市町村に納める必要があり、通常、年間10~15万円程度かかります。
  2. 都市計画税
    これは都市計画事業や土地区画整理事業の費用を賄うための税金で、土地や建物に課されます。固定資産税と似ていますが、都市計画税は償却資産には課税されません。
  3. 保険料(火災保険・地震保険)
    火災や地震に備えるための保険料も必要です。保険会社やプランによって異なりますが、火災保険や地震保険に加入する場合、年間約7万円が目安です。地震保険は任意加入ですが、加入を検討することが推奨されます。

これらは住宅を維持するために必ず発生する費用であり、住宅ローン返済以外にも支出があることを理解しておきましょう。

住宅の維持費について

住宅は年月とともに劣化し、快適に住み続けるためには定期的な修繕が必要です。以下は、戸建て住宅で発生しがちな修繕費用の例です。

  1. シロアリ駆除
    シロアリは住宅の構造を大きく損なう害虫です。シロアリ駆除業者に依頼して駆除を行う必要があります。
  2. 設備交換
    長年の使用によって、キッチンや風呂場などの設備が劣化し、十分な機能を発揮できなくなることがあります。こうした設備の修繕や交換には費用がかかります。
  3. クロス・畳の張替え
    壁紙や畳も時間とともに傷んでいくため、張替えや交換が必要になります。
  4. サッシまわりのコーキング補修
    年月とともに、窓枠周辺のコーキング(シール剤)が劣化し、剥がれてしまうことがあります。この補修も必要です。
  5. 塗装
    外壁や屋根の塗装も、時間が経つと剥がれたり色あせたりします。定期的に塗り直す必要があります。

マンションであれば修繕積立金でこれらの修繕を行いますが、戸建ての場合は自分で計画し、費用を負担する必要があります。新築戸建てであれば、10~15年は大規模な修繕費用の心配は少ないですが、中古物件を購入した場合は注意が必要です。

戸建ての維持費を抑えるポイント

戸建て住宅を維持するには、税金や修繕費などがかかりますが、少しでも維持費を抑えたいと考えるのが普通です。税金は納める義務があるため避けられませんが、修繕費は工夫次第で抑えることができます。以下の点を考慮すると良いでしょう。

メンテナンスが少ない建材・施工方法を選ぶ

戸建てを購入する際、メンテナンス回数の少ない建材や施工方法が採用されているかどうかを確認しましょう。特にキッチンや風呂場などの水回りは傷みやすいため、耐久性のある素材や施工方法を選ぶことをおすすめします。

修繕費用の計画的な貯蓄

修繕には費用だけでなく、時間もかかります。できるだけメンテナンスが少なく済む住宅を選ぶことで、将来的な修繕費を節約することができます。

戸建てを購入する場合、毎月の住宅ローン返済に加えて、固定資産税や都市計画税、保険料、そして修繕費が発生します。税金や保険料は避けられませんが、修繕費は選ぶ建材や施工方法によって抑えることが可能です。初期費用が高くても、長期的にはメンテナンスの少ない住宅を選ぶことで、将来的な負担を軽減できるでしょう。